熱いときや緊張したときにかいてしまう「汗」はそもそも何?
汗について深く考えたことってないですよね。
汗とは、汗腺(かんせん)から出てくる液体です。
汗腺とは全身の皮膚上に存在する汗を分泌する部分のことを言います。
例えば、蛇口をひねると水が出てくるメカニズムと同じで脳が汗を出せと命令すると汗腺から汗が出てきます。
水が水道管から出てくるのと同じで汗は汗腺からでてきます。
汗のメカニズム
なぜ人の体からは汗が出てくるのか?
人が汗をかく理由はいくつかあります。
- 温熱性発汗
- 味覚性発汗
- 精神性発汗
温熱性発汗とは気温や運動で体温が上昇した時に上がり過ぎた体温を下げるために汗をかくことをいいます。
味覚性発汗は辛いものや熱いものを食べたときに汗をかくことをいいます。
精神性発汗は緊張したときや興奮したとき、不安になったときにかく汗のことをいいます。
汗が出るときにも色々な状況や場面があり、一概に暑くなって体温が上昇したときだけに汗をかくとは限りません。
精神性発汗の特徴
精神性発汗とは体温調整で汗が出るわけではなく、不安や緊張などによって汗が出てしまう症状です。
精神的な要因が結果として汗を出してしまうため、精神性発汗と呼ばれています。
例としては、大勢の前で話をしなければならないときに緊張や不安で汗が大量に出てしまうなど。
さらにその状況で汗を早く止めないと、とか汗をかいているのがみんなに見られているとか、不安が不安を呼び、さらに汗をかいてしまう悪循環に至りやすいのも精神性発汗の特徴です。
「汗をかく場所・顔、頭、手、腋などの一部」
温熱性発汗の特徴
運動をして体温が上昇した時や気温が高いときなどに体の体温を下げる際にかく汗のことを温熱性発汗と言います
「汗をかく場所・全身から」
味覚性発汗の特徴
熱いものや辛い物を食べたときに体が反応して、頭、顔、鼻など特に顔周りに汗をかいてしまうことを味覚性発汗と言います。
人によってはすっぱいものを食べたときにも汗が出てしまうこともあります。
「汗をかく場所・頭、顔、鼻など」
汗の役割
汗の役割は上昇してしまった体温を調整するためのものです。
人間は36度前後の体温が活動するのに一番適した体温と言われています。
運動などによって体温が上昇したとき、上昇した体温を調整できないと体に熱がこもり脳にダメージを受けてしまいます。
脳は熱に弱く、42度で脳機能が低下し、45度以上で脳の神経細胞にダメージを受けてると言われています。
その上昇してしまった体温を下げるために、汗をだして体温を下げます。
体から出た汗が蒸発して体温を下げることは非常に大事なのです。
汗は邪魔だし臭いし、汗なんか、かかなくても良いんじゃないの?と思いますが、汗は体温が上昇しすぎるのを防ぐ役割があります。
汗の種類
汗を分泌する汗腺は2種類あります。
- エクリン汗腺
- アポクリン汗腺
エクリン汗腺から出る汗は酸性でほとんどが水分です。
逆にアポクリン汗腺から出る汗はアルカリ性で水分は少なく、尿素やアンモニアなどの成分になります。
アポクリン汗腺はワキの下などの限られた部分にしかない汗腺で、アポクリン汗腺から出る汗は純粋な水分ではないため、匂いのもととなりやすい汗なのです。