緊張や不安で汗をかいてしまう人と汗をかかない人の違い

緊張や不安、恐怖などのストレスによってかく汗を精神性発汗と言いますが、この発汗は個人差が大きいのが特徴です。

例えば、大勢の人を前にしてプレゼンなどの発表をするときに、緊張や不安で手のひらや顔に汗をかいてしまう人がいる一方、同じ状況下に置かれても汗をかかない人もいます。

この違いは「ストレスに対しての感受性」が関係していると言われています。

人は脳の中の扁桃体という部分で不安を感じ、その不安がストレスになり交感神経を刺激して発汗を促します。

良い意味でストレスに鈍感であればいくら緊張や不安を感じていても交感神経は刺激されないので、汗をかくことはありません。

ストレスに対して敏感なら緊張や不安のストレスで交感神経が刺激されて汗がでてしまいます。

ストレスに対しての感受性は改善できるのか?

精神性発汗はストレスに対する感受性が大きくかかわっています。

じゃあ、ストレスに対しての耐性を高くすれば汗はかかないのでは?と考えてしまいます。

ただ、ストレスに対する耐性は遺伝や育った環境によって、ある程度は決まっているので、今からストレスに対する耐性を高くすることは難しいです。

ストレスに強くなるには

ストレスに対する耐性には個人差があります。

人に嫌なこと言われたとしてもあまり気にならなかったり、長く引きずらない人や言われたことをずっと気にしてしまう人もいます。

後者の人は言われたことを引きずってしまい、そのことがストレスになってしまいます。

性格に関してもポジティブな性格の人もいればネガティブな性格の人もいて、ストレスに強い人はポジティブな性格の人です。

ポジティブな人は「考え方を変えれば楽になる」、「人に言われたことなんて気にしない」など簡単に言いますが、人の考え方や性格なんて、そう簡単に変えることはできません。

なので、単純にストレスに敏感な人がストレスに強くなるには、簡単なことではないです。

ストレスに強くなるというよりもストレスを溜めないように対策を取る方が現実的です。

ストレスをためないようにするには

ストレスを溜めないようにするには、こまめにストレスを発散・解消する必要があります。

ストレスの発散と言っても、人によってあう・あわないがあるので自分に合った発散方法を見つけることが重要です。

ここでいくつかストレスを発散できそうなものをご紹介します。

1・ストレッチ・柔軟体操

人はストレスを受けると、心はもちろん筋肉も緊張状態になってしまいます。

ストレッチや柔軟体操を行うと筋肉の緊張状態もほぐれリラックスすることができます。

ストレスを受けると交感神経が高ぶった状態になり、体の不調に繋がってしまいます。

ストレッチをすることで交感神経の高ぶりを抑え、副交感神経の働きを活発化させてリラクゼーション効果を得ることができます。

2・お香やアロマで香りを楽しむ

香りを嗅ぐだけでリラックス効果なんてあるの?と思ってしまいますが、香りを嗅ぐだけでもリラックス効果を得ることができます。

香りを嗅ぐと、脳からセロトニンと呼ばれる「幸せホルモン」が分泌され、ストレス解消に繋がります。

どのような香りを嗅ぐと良いのかというと、一般的にはラベンダーの香りを嗅ぐと良いと言われています。

ただ、ラベンダーの甘い匂いが苦手な人がこの香りを選んでしまうと嫌な臭いでストレスとなってしまいます。

ですから、自分の好きな香りを選ぶのが一番効果的です。

一つ注意が必要なのが、妊婦さんが使ってしまうと良くないアロマもあるので注意が必要です。他にもてんかんの発作を誘発してしまうオイルなどもあるので持病をお持ちの方はアロマオイルを使う際には注意が必要です。

3・音楽を聴いてリラックス

音楽がストレス解消に良いというのは誰でも知っていますよね。どうして音楽がストレス解消に良いのかというとコルチゾールというホルモンの分泌を抑えるからです。

コルチゾールは心拍数の増加や体温・血圧・血糖値の上昇を促し、生体防御機構を活性化させるホルモンで人が活動するためには必ず必要となるホルモンです。

ただし、慢性的にコルチゾールの分泌が多くなると、うつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などの病気のリスクにもなります。

どのような音楽が良いのかですが、アップテンポの曲よりもクラシックやヒーリングミュージックが良いです。

出典:富山大学人文学部紀要第56号抜印

4・しっかり睡眠をとる

睡眠には疲労回復や自律神経を整える効果があります。

睡眠時間が不足すると十分に疲れをとることができなかったり、自律神経を整えることもできなくなり体のメンテナンスが十分にできなくなってしまいます。

しっかり睡眠をとることで体調を整えることができます。

5・カウンセリングなど利用する

嫌なことや辛い思いをしたまま、誰にも相談することができずに自分の心にしまったままだと、ストレスになってしまいす。

悩みを人に打ち明けるだけでも、心が楽になりストレスの解消にもなります。

日本では、嫌なことや辛い思いをしてストレスを受けてときでも精神科やカウンセリングの受診は珍しいことですが、海外ではストレスを解消するためにカウンセリングを受けることは珍しくありません。

カウンセラーに相談することで、自分が今どのような状態にあるのか判断してもらい、その状態にあった治療方法を指示してもらうのも一つの解決法です。

6・自分の好きなことに没頭する

気持ちが落ちているときには、何もする気がおきなくボーッとしていても、嫌なことを思い出してしまいます。

自分の好きなことに没頭することで、嫌な思いや辛い気持ちを紛らわすことができますし、自分の好きなことに没頭することでストレスの発散にもなります。

好きな映画や音楽を聴くのも良いですし、温泉にゆっくり浸かったり、整体やエステでリラックスしたり、スポーツ観戦やスポーツをするのも良いですし、とにかく自分の好きなことに没頭することが大事です。

7・嫌なことを紙に書いてみる

1日の出来事を日記にまとめる人もいると思いますが、嫌なことや辛いことをわざわざ日記に書く人は少ないはずです。

ネガティブなことを記録すると、もっとネガティブになるんじゃないかと思ってしまいますが、あえて嫌なことや辛いこと、そのときの自分の感情を紙にすることで自分の感情を一歩引いた目線で客観的に見ることができます。

自分の感情を客観的に見ることで「自分はこんなときにストレスを感じるんだ!」と冷静に自分を見つめることができます。

すごくイライラしていることも、紙にガーッと書くことで逆に怒りが治まって、「あれ?なんでこんなことでイライラしてるの?」と冷静になって物事を考えることもでき、ストレスの解消にもつながります。

自分にあったストレス発散・解消方法が一番

ストレス解消法を一通り紹介しましたが、これをすれば絶対にストレス発散・解消できるということではありません。

友達とおしゃべりすることがストレス発散の方法という方もいますし、ペットと触れ合うことがストレス解消という人もいます。

とにかく、これをすれば「私はストレスを発散しているんだ!」と思えることが大事です。

皆さんも自分にあったストレス発散・解消方法を見つけてみてください。